個人事業主の小売や飲食店は値上げをするべき

安易な値上げはよくない!というのは嘘

先日プロパンガスの契約をしている会社から値上げの通知が来ました。

世の中は値上げのラッシュです。

ではお店が値上げできるかというとそんなことはまず無理。

せっかくお客様と積み上げてきた関係をイチからやり直すなんて…。

そう思うのがほとんどだと思います。

ところがどっこい、この悩みの答えはずばりとっとと値段を上げること。

その理由は、値段が上がった時に自分たちの足りない部分が浮き彫りになるから。

つまり、改善点が見つかるのです。

だから安易な値上げをとりあえずしてみて、自分のお店を客観的に評価してみる。

値上げをしたら売上が上がったのか下がったのか、利用者が減ったのか増えたのかなど。

まずは情報を吸い上げるために値上げしましょう。

価格設定の不思議

さきにうちのお店の話をしておくと、価格設定は高いです。

エリア相場の1.5倍ぐらいでしょうか?

紅茶飲み放題とは言え、2時間1,000円で食事をすれば1,500円は確実に超えます。

この設定の理由は2つあって、一つは空間にお金を払ってもらう意識づけ、もう一つが嫌われるためです

後者は次で説明するとして、現状のお客様はお店が支払っている「空間の維持費」を意識していません。

空間の維持費とは、エアコン、掃除、机やイスや座布団、あとは照明やインテリアなんかもそうです。

例えば飲食店の場合、料理やドリンクの原材料費+この空間維持費が本来の原価となりますが、これを計算に入れていない価格設定が多すぎます。

だから利用する人が知らないというか、気づいてないという有様。

ただこの空間維持費は、6~8割埋まるお店や単価が高いなら、サービスの利用料金でペイできるという性質もあるので、大手チェーン店や居酒屋さんには必要ありません。

にもかかわらず値上げしたり、席料をとっているのはその必要としていないお店です。

この価格設定の不思議をなんとかする意味も込めて、やはり値上げしましょう。

一回距離を置く

例えば値上げした時に、「がっかりした」「まあ仕方ないよね」「もう利用しません」などとネガティブな意見の一方、「むしろ今までが安すぎ」などのポジティブな意見(ほぼないけど)があります。

これ実は、心理学的に得することより損することを避ける人間の性質から生まれるものであり、本心とはちょっと違うかったりします。

要は、今まで得をしていた!のではなく、これから損をし続けると思った瞬間、そのものを否定してしまいその原因を値上げとしてしまうのです。

じゃあどうすればいいかというと、原材料が上がったとか具体的な説明をするより、シンプルに「最近厳しいから」でいいです。

もともと値段を高く設定しているうちの場合は、「それぐらい取らないとやっていけないから」です。

そうすることで、一回お客様を突き放し、そのあとの行動によって付き合っていくかどうかを決めればいいだけ。

そこで先程のように、ポジティブな意見や、お店に足を運んでくれる人を徹底的にひいきする

そうやって、単なるお客様からお店のファンにしていく流れを生みだすというわけ

そのためにもやっぱり一回は値上げしましょう。

すでに負けている

そんなことしてお店が潰れたらどうする!という意見が飛んで来そうですが、何もしなくてお店が潰れるならやってみてからの方がよくないですか

確かにこの方法には問題もあります。それは近くに値上げをしないお店があった場合です。

同じサービスなら値段が安い方を選ぶのは仕方ないのですが、そもそも価格競争で勝っている商売なんて資本力の高い大手が参入した時点で即死です。

あとは利益度外視のお店なんかもあると厳しいです。

とはいえ、その土俵でいくら戦っても消耗戦なのは明らか。あなたが今後も事業を継続するにはやっぱりまずは、とりあえず値上げしましょう。

もしそれでも不安なら、ぶっちゃけお客様に聞いてみるのもいいですね。

「値上げしようかと思うけど…どう?」って。

その返事が意外と明るいものなら決断し易いと思うので。

次世代のために

最後に現在ある程度高齢になってきて、事業を続けるかどうかを迷われている方に向けて、おこがましくもご提案させて頂きます。

「一回やめてみませんか?」

そのお店がなくなって困るかどうか一回やめてみて、もし困るというお客様がいたらその方に「代わりにやってくれる人探してもらえない?」とお願いしましょう。

本当になくなって困るならその方が、人手を集めてくれるし宣伝もしてくれるはず。

今やサービスや事業の継続は、お客様との二人三脚じゃないと続けられません。

そうすることで新しい出会いが生まれ、次世代の担い手が見つかるかもしれません。

ぜひ勇気をだして、値上げややめるという選択を選んでみて下さい。

これは後ろ向きな行動ではなく、未来を変えるための一歩前進なのです。

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